無人の野菜売り場の話。
一軒家が並んでいる道を自転車で走っていると、ガレージの横に無人の野菜売り場があった。
12月のことで、すごくキレイなほうれん草とレタスが置いてあったので迷わず買った。
私がお代を代金箱へ入れているところへ、年配の男性が歩いてきた。
どうやらここの野菜を置いているご本人だ。
「ほうれん草もレタスもすごい綺麗ですね!」
思わぬ幸運にあったうれしさでそう伝えると、今年は雪がまだ降らず、そのため葉がいたまなくてイキイキしている、とのこと。
冬至が近かったのでユズも購入。
すると、男性が、ちょっとまってて、とガレージの方へ。
戻ってくる腕にでっかいみかん。
たまたまあまっていたからか、私がよろこびまくっていたからなのか、みかんを4つもオマケにつけてくれた。
イキイキした野菜も、みかんまでも手にはいって、たいへん嬉しい日だった。
近くに住んでいる祖母にみかんをあげた。留守だったので、郵便受けにひとつ置いて、電話でその旨を伝えた。
しかし冬至も過ぎて大みそかに祖母に電話をすると、郵便受けのみかんを知らないと言われた。
最初の電話が遠かったらしい。
ずっと郵便受けにあったみかんは、ちゃんと美味しかったようだ、よかった。